お祈りの音楽

雪が降ると、東京に来た最初の冬のことを思い出す。
そうしてある光なんか聴いちゃったりすると、自動的に、2008年の今くらいを思い出す。

雪の積もらない土地にずっと住んでたから、白い道路や木々にはしゃいだ。
たくさん写真を撮った。
初めて働いている大学で、言うことなすことが無茶苦茶なボスと反りが合わず、早く辞めたいと思いながら歩いていた。一歩一歩雪を踏みしめて、メロディのリズムに合わせて進んだ。
そうして私にとって、ある光はお祈りになってしまった。

未だに、平気なこころもちで聞けない。
音楽をお祈りにしてしまうのは2度としたくないと思った。

ある光は、もうひとつ、懐かしい気持ちにもなる。
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チバ氏と幕張の海辺でこれを録音したのは、2009年。少し、思い出は更新されたのだけど、これも今となっては、戻らない時間という懐かしいものになってしまった。
これから新しい時間の中で、ある光はまた更新されていくのかな?

お祈りにしていいのは自分でつくった音楽だけだな、と思っている。
そしてそうなったら、きっと外には出せない。
…やっぱりそんな風に余計なものでデコレーションしたくないや。